* 絵コンテ メモ  修正完成品一部  *

 
 ■ file2-5  シーン 1

ファイル名  2_5_1_01〜 .avi

背景3Dデータ  ヤスコ家のリビング
時間:昼すぎ

人物: ヨーコ カズオ ヤスコ ダイスケ 陽子

(約 3分43秒)

 

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■キャラ演出(表情、動作指定) ■背景演出 ■カメラ  ■SE ■BGM ■色味(空気感、天候、ライト)■セリフ ■フレーム数
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←カット候補 追加←セリフ追加

 

カット
番号
絵コンテ
メモ
完成
動画


2_5_1_01

■白からフェードイン→下へパン
■鳥の声
■120

実際カメラは
「玄関でお祝い品(ちょっと大げさな包み)を
ヤスコに渡す ヨーコとカズオ
入ってーという動作のヤスコ
いずれも遠くからの撮影で声は聴こえない」

カメラは↑の様子がわかる角度にする 。
よって、ヤスコの部屋は、階段より手前。

■すずめが3、4羽飛んでいる。
電線→木

 

 
2_5_1_02

 

■固定

■カタン

■光が差し込むリビング

■60

 
2_5_1_03

■ys2_5_01.mp3
「あの時は、本当にありがとう。私、
ヨーコがいたからがんばれたよ」

■ys2_5_02.mp3 「もう、肝心な時にダイスケいないんだから」

口をとがらせて言うヤスコ、
コーヒーを置いて、おぼんを台所に置いて
ヨーコの隣へ座る
■270 間取り、要修正■リビング全景 PAN

0%
2_5_1_04

 

■固定

■170

■d2_5_01.mp3
「しょうがないだろ、出張だったんだから。
でも、間に合ったじゃん」

■窓から光が差し込んでいる

「でも間に合ったじゃん」で陽子の方を
そっとみる

 

2_5_1_05

■ys2_5_03.mp3 「それが不思議なのよね。あれだけがんばっても出てこなかったのに、

 

■固定(か、左へパン)

■130

 

 

0%
2_5_1_06

ダイスケの顔みたとたん、スルスルって出ちゃうんだから」

■固定

■130

ヤスコ、お菓子の袋を開けながら
話している 最後ヨーコの顔を見て話す感じ

0%
2_5_1_07


■d2_5_02.mp3
「パパを待っててくれたんでちゅよねー」

■固定(か何か、効果)

■100

陽子を揺らす

 
2_5_1_08

■固定

■30

陽子 声を出す。笑ってい感じ。ご機嫌

追加■陽子  「あぁあ〜」

 
2_5_1_09
■ys2_5_04.mp3
「もう、赤ちゃん言葉はやめてよね」

ヤスコ、怒り口調、あきれかえっている
ヨーコ、微笑、コーヒーを飲む
カズオ、陽子の顔を覗き込む
ダイスケ、であやし続けている


実際はもう少し距離がある

■d2_5_02.mp3 続き
「ママは何怒ってるんでちゅかねー」

■120


■固定か右へパン
 
2_5_1_10

■y2_5_01.mp3
「それにしても、本当にダイスケとヤスコが結婚して、赤ちゃん生まれたんだね」

ヨーコ、コーヒーを置きながら話す


■180


■固定(あおる?)

このへんから、ずっとダイスケと陽子の
声が遠くで聴こえている(アドリブ)↓
カズオの声も時々入る

 
2_5_1_11

■ys2_5_05.mp3 「変な感じ?」 ※小声で

■90

■固定

ヨーコの耳元まで寄る
手までつけると大げさなので辞めたほうが
いいかも

 
2_5_1_12

■y2_5_02.mp3 「まあ、ね。でも、二人見てると、すごく幸せそうだし。なんか、羨ましいくらい」 

の後若干間

■195

■固定(あおらなくてよい)

 
2_5_1_13

■ys2_5_06.mp3 「あっけなくダイスケのこと振るからよ。なんてね。

ヨーコだって、なんかいい感じじゃん? もう、付き合い長いの?」 ※小声ぎみ

■左へパン(ヤスコ目線ぎみ)

■220

手前にテーブルをぼけて写したい

 
2_5_1_14


■y2_5_03.mp3 「ん? そんなことも、ないけどね」

■ヨーコアップ→引く→すばやくズームイン

■230

 

 

■ys2_5_07.mp3
「もしかして、彼が未成年の頃にひっかけた?」
※小声

 

 

■y2_5_04.mp3 「ヤスコ、私のこと、勘違いしてる」

↑かぶるぐらい即答

ヨーコおおげさな顔

 

0%
2_5_1_15

■ys2_5_08.mp3 「ゴメン、冗談。あいつが、ダイスケがさ、気にしてて」
 最初はニッコリ目を閉じて笑うが徐々に顔はまじめになっているヤスコ、ダイスケを少し見て、ヨーコに視線を戻す

■ys2_5_09.mp3 「カズオくん見て、ちょっとヤキモチ焼いたのかもよ」
ちょっとおちょくった感じでヨーコに言う

■y2_5_05.mp3
「それは、ないでしょ」
 固まりながら苦笑いで言う
■ys2_5_10.mp3 「まあ、それはどうかわかんないけど。
 ヨーコ、半目斜め下を見つめて口だけ
笑いながら話す
■360■固定

0%
2_5_1_16

サトルと、ちゃんと別れてないって聞いたみたいだから。今となっては余計なお世話よね」

■180

■下から上へゆっくりパン

もう少しヨーコの顔がしっかり見える角度

 
2_5_1_17

■ys2_5_11.mp3
「私以上に、サトルはヨーコのこと、探してたみたいだから」

■110

■下から上へゆっくりパン

 
2_5_1_18

k2_5_01.mp3
「何二人で内緒話してんの?」

■200

後ろから2人の間に顔を割って入って登場カズオ
ヤスコは目をまん丸に見開いて首をかしげて、ニット笑って立ち去る

 

この辺短くできるように修正する

■固定

 
   
2_5_1_19

ヨーコ、カズオの顔を見て少しホットする、
手前、ヤスコ通過


■40

■固定

 

 
2_5_1_20

ヤスコ、ダイスケの方に行って赤ちゃんを抱っこする

カズオはヨーコの隣に座る

■120

■固定(だだっ広いので要修正)

 
2_5_1_21

■ys2_5_12.mp3
「そうだ、ヨーコに報告があるの」

ヤスコ
赤ちゃんをゆすりながら、ダイスケの顔をみる(最初はヨーコの方を見ている)

■80

■固定

■後ろの窓から光がさしている。逆光

 
2_5_1_22

ダイスケは、少し照れくさそうに頷く

 

■60

■固定

0%
2_5_1_23

■ys2_5_13.mp3 「実はね、この子の名前、

■↓へパン

ヤスコの口→赤ちゃんの顔がわかるように
パンする

■80

 
2_5_1_24

『陽子』なの」

■y2_5_06.mp3 「え?!」

■固定

■160

■環境音もすべてストップ

 
2_5_1_25

■ys2_5_14.mp3
「ヨーコと同じ、太陽の陽に子供の子。
今時『子』のつくコも珍しいと思ったんだけど、ダイスケがね、

■逆光に照らされているヤスコと陽子

■230

■固定(もっと斜め下から見上げる感じ)

■やさしくもどこか悲しい静かなBGM

 
2_5_1_26

どうしても陽子がいいってきかないの。

■70

■固定

 
2_5_1_27

高校時代の彼女の名前をそのまま
つけちゃうなんて、どうかと思わない?」

■実際は斜め上から固定か他によさげな
角度

■110

わざと、嫌味っぽくダイスケに向かって言うヤスコ

ダイスケは困りながら笑う感じ

 
2_5_1_28

■固定(もう少し引いてもいい)

■k2_5_02.mp3 「マジで?」

■60

唖然

 
2_5_1_29

■ys2_5_15.mp3
「私もね、ヨーコみたいに、優しくって明るい子になってほしいと思うから、   
  女の子だったらヨーコにするって決めてたんだ」

※陽子をやさしく見ている(ヨーコはお母さんに安心して眠っている)
※カメラ目線(ヨーコを見ている)
最後、ヨーコの方を見ても良い

■固定(もっと下から見上げていい)

■195

■逆光

 
2_5_1_30

■d2_5_03.mp3
「いつかまた会えるとは思ってたけど、

  ※ダイスケ、立ち上がりながら
■こんなに早く、それも陽子が生まれてくる時にヨーコがいてくれるなんて、
  ※陽子の小さい手をやさしく撫でながら
■思ってもみなかったから、本当に驚いたよ」
  ※ヨーコの方を振り向きながら

■ダイスケをフォロー(角度要修正)
  (真横からでもいい

■260

 
2_5_1_31

ダイスケ真っ直ぐヨーコを見つめている

■60

 
2_5_1_32

 

ヨーコの心理状態が現れる表情に

■y2_5_07.mp3 「そんな……」

■ゆっくり斜めのまま上へパン
(できればヨーコだけを 入れたい
もっとあおっていい

■闇を強調

■90


 

2_5_1_33

カズオ、心配そうにヨーコを見守る

■50

←この絵はヨーコの顔みてないけど

 
2_5_1_34

二人は、見つめ合って柔らかな表情で、
すやすやと眠り続ける陽子の顔を覗き込む
最後、
ヤスコ、ヨーコの異変を感じてカメラの方を
向く

■2人が入るように撮影 ゆっくり右へPAN

■明るさ強調(左の壁は暗い)

■80

 
2_5_1_35

■ys2_5_15.mp3 「ごめん、嫌、だった?」
若干間

■100

■固定

ダイスケも振り向く

 

 
2_5_1_36

ヨーコとりあえず、無理して笑いながら話す

■y2_5_08.mp3 「ううん、そんなんじゃなくて……なんていうか、照れるじゃん」

■y2_5_09.mp3 「だって、私みたいにだなんて言われたら、ねぇ?」

ねぇ?」で、カズオの方を向く

■ゆっくり左へパン

■240

 
2_5_1_37

■y2_5_10.mp3  
  ( 私なんて…

※心の声

■60

 
2_5_1_38

■k2_5_03.mp3 「きっと、スゲェいい女になりますよ、陽子」

■カズオが立ち上がる音

■カズオをフォロー

ホントはこうしたかった→カメラはヨーコバス
トアップのまま、手前をカズオが立ち上がる

笑顔で自信満々に、立ち上がってヤスコとダイスケに話しかけるカズオ
他の3人は目をまん丸

■90

 
2_5_1_39

■k2_5_04.mp3
「コイツ、結構料理もウマイし、意外と気が利くし。どうしよう、20年後の陽子ちゃんに、俺惚れちゃうかも」

カズオおおげさに身振り手振り

ヨーコかたまっている

■ゆっくりパン→ディゾルブ

■180

 
2_5_1_40

■dd2_5_04.mp3
「だろ? カズオもそう思うだろ?

■固定

■楽しげなBGMに切り替わる

冗談っぽい空気に変わる

うん、ぜったい陽子はいい女になるよ。
ああ、パパは心配でしょうがないでちゅ」


↑陽子の方を見てあやすダイスケ

■210

 
2_5_1_41

■固定か若干ヤスコをフォロー

■ys2_5_16.mp3
「カズオくんが言うならまだしも、ダイスケがそういう事をいうのはちょっといただけないんですけどっ」

ヤスコ、ダイスケを振り払ってヨーコのところ
へ陽子を連れていく

ダイスケ寂しそうな顔をしてついてくる

 

■180


追加

■ダイスケ
「ヤスコ〜」

 
 
 
2_5_1_42



■60


■固定




 
2_5_1_43

■ys2_5_17.mp3
「抱っこしてあげて」

■ y2_5_11.mp3
「……うん」

■100


こくりとうなずく、声なくてもいいかも

■固定

 
2_5_1_44

ヤスコ、 陽子をわたす




追加■陽子  「ぁあ〜」

■50

■固定

このカット要修正

 
2_5_1_45

■y2_5_12.mp3
   (陽子。


ぎこちなく陽子を抱き上げるヨーコ

※心の声はエフェクトかける

■80

 
2_5_1_46

お願い、あなたは、幸せになってね。
  ううん、きっと、


ふにゃふにゃ笑う陽子


ぎゅっと抱き寄せる

■固定かパン→ディゾルブ

■180

 
2_5_1_47

この二人に見守られて



■右へパン→ディゾルブ

 

ヨーコ目線のヤスコ

■60

 
2_5_1_48

幸せに生きていける。)


■右へパン→ディゾルブ

ヨーコ目線のダイスケ

■60
 
2_5_1_49

■y2_5_13.mp3
   「ありがとう」


ポロポロと涙がこぼれて、陽子のおくるみに落ちる

■固定

 

■100

 
2_5_1_50

■y2_5_14.mp3 (陽子のおかげで、私は幸せだよ。)※心の声はエフェクトかける

■120

■固定(か下記文かズームアウト

部分的にパンして最後に全体でもいい。
(中割)



ヤスコヨーコの肩を抱いて頭をくっつける
反対隣にダイスケ
後ろのカズオは覗き込んでいる

 
2_5_1_51

■y2_5_15.mp3「陽子ちゃん」

■50

他の表現方法に修正するか、上の
カットに、セリフを詰め込む方が望ましい

■固定→ディゾルブ

 
2_5_1_52

■y2_5_16.mp3
(生まれてきてくれて、ありがとう。)

※心の声はエフェクトかける


ホワイトアウトか
声無しで文字で表すか、後で決める

■140

■固定→ホワイトアウト

0%
 

 

file2-5

1週間後には退院すると聞いて、それから私たちは自宅にお祝いを持っていった。

ys2_5_01.mp3
「あの時は、本当にありがとう。本当に、私、ヨーコがいたからがんばれたよ」

  ヤスコがコーヒーを置いて、私の横に座った。

ys2_5_02.mp3 「もう、肝心な時にダイスケいないんだから」

テーブルを挟んで向こう側で赤ん坊を抱いて座るダイスケに、ヤスコが口をとがらせた。

d2_5_01.mp3 「しょうがないだろ、出張だったんだから。でも、間に合ったじゃん」

ys2_5_03.mp3 「それが不思議なのよね。あれだけがんばっても出てこなかったのに、

ダイスケの顔みたとたん、スルスルって出ちゃうなんて」

d2_5_02.mp3 「パパを待っててくれたんでちゅよねー」

ys2_5_04.mp3 「もう、赤ちゃん言葉はやめてよね」

ダイスケは、抱いている彼女の顔を見つめ、赤ちゃん言葉であやし続けている。
  それを見ながらヤスコと私は呆れて笑った。
カズオはダイスケの横で、彼女の顔を興味津々に覗き込んでいる。

y2_5_01.mp3
「それにしても、本当にダイスケとヤスコが結婚して、赤ちゃん生まれたんだね」

  ダイスケの記憶は別れた時から止まったままだったし、
ヤスコがそのダイスケと結婚したなんて、ちょっと信じられなかった。
  今こうして現状を見せられて、ようやく納得する。

ys2_5_05.mp3 「変な感じ?」

y2_5_02.mp3 「まあ、ね。でも、二人見てると、すごく幸せそうだし。なんか、羨ましいくらい」

ys2_5_06.mp3 「あっけなくダイスケのこと振るからよ。なんてね。

ヨーコだって、なんかいい感じじゃん? もう、付き合い長いの?」

y2_5_03.mp3 「ん? そんなことも、ないけどね」

  そういえば、コイツに出会ってから、もうすぐ1ヶ月になるんだ。
  でもまさか1ヶ月とは言えないし。

ys2_5_07.mp3 「もしかして、彼が未成年の頃にひっかけた?」

y2_5_04.mp3 「ヤスコ、私のこと、勘違いしてる」

ys2_5_08.mp3 「ゴメン、冗談。あいつが、ダイスケがさ、気にしてて」

そういうヤスコの目線の先で、ダイスケは相変わらず親バカ全開で彼女に話し掛けている。
  横にいるカズオとも、言葉を交わして楽しそうだ。

ys2_5_09.mp3 「カズオくん見て、ちょっとヤキモチ焼いたのかもよ」

y2_5_05.mp3
「それは、ないでしょ」
それは、きっとない。
  あるとすれば、それは私の方かもしれない。
  一瞬固まった私を見て、またヤスコは笑う。

ys2_5_10.mp3 「まあ、それはどうかわかんないけど。
サトルと、ちゃんと別れてないって聞いたみたいだから。今となっては余計なお世話よね」
「………」
サトルも高校の同級生だ。
  ダイスケの友達で、私がダイスケと別れて、しばらくしてから偶然合コンで一緒になって、
なんとなく連絡を取って遊んでいるうちに、付き合うようになった。
  でも、母が入院して、サトルが就職して忙しくなって、自然消滅したものだと私は思っていた。

ys2_5_11.mp3 「私以上に、サトルはヨーコのこと、探してたみたいだから」
何となく、それは知っていたけど。
  だけど、もう、終ったことだ。

k2_5_01.mp3
「何二人で内緒話してんの?」

ちょっと甘えた声をしながら、いつのまにか後ろにきたカズオが私たちの間から顔を出した。
  ヤスコは目をまん丸に見開いて首をかしげると、ダイスケの方に行って赤ちゃんを抱っこする

ys2_5_12.mp3 「そうだ、ヨーコに報告があるの」

ね、とダイスケの方を向くと、ダイスケは、少し照れくさそうに頷いた。

ys2_5_13.mp3 「実はね、この子の名前、『陽子』なの」

y2_5_06.mp3 「え?!」

ys2_5_14.mp3 「ヨーコと同じ、太陽の陽に子供の子。
今時『子』のつくコも珍しいと思ったんだけど、ダイスケがね、どうしても陽子がいいってきかないの。 高校時代の彼女の名前をそのままつけちゃうなんて、どうかと思わない?」
  わざと、嫌味っぽくダイスケに向かって言う。

k2_5_02.mp3 「マジで?」
 
  私より、横にいるカズオが素で唖然としている。
  私は……正直戸惑っている。
ys2_5_15.mp3
「私もね、ヨーコみたいに、優しくって明るい子になってほしいと思うから、
女の子だったらヨーコにするって決めてたんだ」

d2_5_03.mp3
「いつかまた会えるとは思ってたけど、こんなに早く、
それも陽子が生まれてくる時にヨーコがいてくれるなんて、思ってもみなかったから、本当に驚いたよ」
ヤスコに続けて、ダイスケも私の目を真っ直ぐに見て言う。
y2_5_07.mp3 「そんな……」
 
目の前の二人は、見つめ合って柔らかな表情で、すやすやと眠り続ける陽子の顔を覗き込む。
  陽子、私と同じ名前、私のようにと名付けるなんて。
 
  全てが人並みで、特別なものが何もなかった。
  その人並みさえ、一生懸命にならなきゃ追いつけなくて。
  劣等感を隠す為に、優しく明るく振舞って。
  私には、死がまとわりついていて。
  もうすぐ死ぬというのに。
  言葉を失っている私に、ヤスコが気付いた。

ys2_5_15.mp3 「ごめん、嫌、だった?」
y2_5_08.mp3 「ううん、そんなんじゃなくて……なんていうか、照れるじゃん」
とりあえず、笑ってみた。  うまく、取り繕えてる?
y2_5_09.mp3 「だって、私みたいにだなんて言われたら、ねぇ?」
y2_5_10.mp3  
  ( 私なんて…

どうしよう、なんて言おう。
  出生届、もう出したのかな。
  やめた方がいいって、言っていいのかな。

k2_5_03.mp3 「きっと、スゲェいい女になりますよ、陽子」

  私が口を開こうとした瞬間、横からカズオが乗り出してきた。

k2_5_04.mp3
「コイツ、結構料理もウマイし、意外と気が利くし。どうしよう、20年後の陽子ちゃんに、俺惚れちゃうかも」
 
静まりかえっていた部屋に、バカなコイツの言葉が浮いたように響いて聞こえた。
  何言ってんのよ、相変わらず空気読まずに馬鹿ばっかり……と思ったら。

d2_5_04.mp3
「だろ? カズオもそう思うだろ?
  うん、ぜったい陽子はいい女になるよ。ああ、パパは心配でしょうがないでちゅ」

もっとバカなことを、ダイスケが言ってくれた。

ys2_5_16.mp3
「カズオくんが言うならまだしも、ダイスケがそういう事をいうのはちょっといただけないんですけどっ」

  ヤスコは抱いていた陽子をダイスケから引き離すように立ち上がり、私の横に座った。
  淋しそうな顔をしてダイスケもついてくる。
  ヤスコが私に陽子を差し出した。

ys2_5_17.mp3 「抱っこしてあげて」
y2_5_11.mp3 「……うん」

ぎこちなく陽子を抱き上げる。  暖かくて、小さくて、柔らかくて。

y2_5_12.mp3
(陽子。
  お願い、あなたは、幸せになってね。
  ううん、きっと、この二人に見守られて幸せに生きていける。
大丈夫だから、安心して、今は眠って。 )

y2_5_13.mp3 「ありがとう」
 
私は、ダイスケとヤスコの顔を交互に見た。
  顔を上げた時に、ポロポロと涙がこぼれて、陽子のおくるみに落ちた。

  ヤスコが私の肩を抱いて、頭をくっつけてくる。
  反対隣にはダイスケがいて、後ろからカズオが覗き込んで。

y2_5_14.mp3 (陽子のおかげで、私は幸せだよ。 )
y2_5_15.mp3 「陽子ちゃん」
y2_5_16.mp3 (生まれてきてくれて、ありがとう。)